五線譜2
Recommend Tracks/Fusion,Others1

Fruitcake/『same』

 83年。一世を風靡していたShakatakに対するオランダからの回答などと呼ばれ、大好評を博した1枚。当時の早朝から深夜までのTV、ラジオの様々な番組のBGMにこのアルバムの曲が使われていたので、グループは知らなくても耳馴染みの曲は多いはず。購入のキッカケとなった<Party In Brazil>は、ラジオ日本の全米Top40の「森永ラブ」の宣伝で盛んにオンエアーされていましたネ。<We're Here To Please You>はTBSの8時半からの番組...。おっと!純粋にいい曲も多く、泣きのメロディと軽やかなビートが絡む<I Like The Way>や、胸が締め付けられるスローの<In The Right Direction>等、どの曲も文句ナシに推薦。アルバム・トータルで究極の完成度を誇る。84年の『2』も全く同路線で推薦できる。
Level42/『same』

 マイナー時代の音源を入れなければ、81年のこれが1st。後にヒットを連発し、Best Hit USA世代からも大いに支持されるが、この頃はまだまだ知る人ぞ知る存在で、Shakatak同様、美GM扱いだったと記憶している。この作品は完成度に於いてはやや疑問が残るものの、聞き逃せない曲がズラリ。必殺ミディアム・フロウは<Why Are You Leaving?>。少し難解なメロディが奇妙なアダルト感覚を醸し出す珠玉の1曲。<Love Games>は今でもダンス系のコンピに入る程のクラシック。Mark Kingの超人技炸裂の圧倒的Funk<Almost There>や、既にヒット路線が垣間見る事が出来る<Turn It On>等、堪能してネ。
Larry Carlton/『Singing/Playing』

 一部では御本家と呼ばれ、今でもそのカリスマ性は衰える事を知らない、あらゆるギタリストの最終目標と言われている鉄人。そんな彼が73年にBlue Thumpに残した2nd。これが何と2曲を除いて全てヴォーカル・ナンバーで占められており、彼の全作品の中で間違いなく異色作の部類に入る。ピアノをバックにモロに歌っている曲もあったりと、かなり疑問符が多く付く内容だが、どうしても聴き逃せないナンバーが<Wavin' And Smilin'>。クラブ・プレイしても十分にイケそうなソウルフルな曲調、陰影に富んだメロディと、濃密な夜の雰囲気タップリのサウンド・メイキングは、Free Soulの影の立役者、Michael Omertianの絶大なる貢献によるもの。
The Manhattan Transfer/『Pastiche』

 20世紀が生み出した最強のジャズ・コーラス・グループ。マントラの78年発表の3rd。これまでもポップな雰囲気を積極的に取り入れ、既成ジャンルに留まらない幅広さを魅せていたが、このアルバムからJay GraydonとDavid FosterのAirplay隊、Jeff Porcaro(TOTO)、Michael Omartian等をバックに迎え、プレAOR的な要素を感じさせる楽曲が多くなった。決定打は<Who What When Where Why>。Rupert Holmes作。Madelaineのヴァージョンの大ヒットにより、Free Soulファンの間で好評を博した曲である。ここではJayの決めまくったギターソロを交えた、コンテンポラリーなアレンジが燦然と光っており、個人的にはこの曲のベスト・ヴァージョンと言っても差し支えがない程だ。
PPieces Of A Dream/『Imagine This』

 Grover Washington Jrの秘蔵っ子として、81年にデビューを果たしたグループの84年発売の3rd。元々ポップなグループであったが、ここではAOR/ブラコン色を前面に押し出し、更に洗練度を増している。白眉は<Fo-Fi-Fo>。ダンサブルかつクリスタルな雰囲気タップリの、秀逸ミディアム・フロウだ。<It's Time For Love>も同路線ながら、テンポを落としてバラード仕立てにしている。女性VOによる<Forever Lasting Love>もメロウな質感が実に心地よい。<Tell Me A Bedtime Story>は勿論、Herbie Hancockの名曲カヴァーだ。
Tyzik/『Radiance』

 本名Jeff Tyzik。トランペット奏者。81年の1st『Prophecy』は秀逸な内容ながらも、やや当たり前のフュージョンだったが、ここではブラコン色を大幅に加味し、洗練度を飛躍的に向上させている。イントロからストリングスとブラス・セクションが一体となったスリリングな<Love Ya'>。ディスコやラテンの消化具合も見事なもので、スペイシーな展開は何度耳にしても心躍る。ミディアム・テンポに濃厚なミッドナイト的雰囲気を絡めた<Sweet Nothings>は、女性コーラスの効果もあってか、相当にアダルトな仕上がりを魅せている。Herb Alpertの<Rise>を更に都会派にした様な、<Better And Better>も忘れてはならない1曲。尚、国内盤と輸入盤ではジャケットが異なる(左は国内盤)。
Ronnie Laws/『Every Generation』

 フリーソウル界では有名なLaws Familyの一員。そしてSide Effectのヴァージョンで有名な、<Always There>のオリジネイターとしても知られている彼の、最もクリスタル指数の高い作品。タイトル・ソングは、ゆったりしたリズムと極上のメロディとヴォーカルが、最高の雰囲気を醸し出す逸品。同タイプの<Love's Victory>も、幾分シンプルなバックと彼のヴォーカル&サックスに絡む女性コーラスが、都会の夜をアダルトに演出する。ちなみに次作『Solid Ground』に収録の<Stay Awake>も、George Dukeあたりに相通ずる、哀愁感に満ち溢れたバラードで推薦。
Tim Weisberg/『Party Of One』

 あのDan Fogelbergとの最強コラボレイション作『Twis Sons Of Different Face』で、その名を上げたフルート奏者。アルバムの枚数も相当な数に及ぶが、AOR度が最も高いのは80年に出たこの作品。<I'm The Lucky One><Don't Keep Me Waiting Girl>は、あのBill Champlinが持ち前のソウルフルな歌声を存分に披露した、アルバム最大の聴き所。他はインスト中心だが注目所も数曲。<Magic Lady>はSergio Mendesの同名アルバムより、原曲よりも幾分軽めの仕上がり。Stevie Wonderの隠れた名曲を取り上げた<Power Flower>の、愛情に満ち溢れた解釈も良い。他、<What's Going On>のクリスタルなカヴァーも演っている。
 個人的推薦曲はタイトル・ソング。ヒーリングとサウダージ感覚が同居した心地よいサウンド・メイキングは、疲れ切った心に清涼感を与えてくれる。
Sarah Vaughan/『Brazilian Romance』

 不勉強のため彼女の事を全然知らない私だが(恥)、このアルバムへの思い入れは誰よりも強い!と断言出来る程の愛聴盤だ。タイトルから想像される通り、ブラジルへの憧憬をポップに表現した作品だ。プロデュースはあのSergio Mendes。マニア筋では絶大なる支持を獲得している、Dori Caymmiのアレンジも的を得ている。<So Many Stars><Your Smile>と、2曲Sergioのカヴァーも収録。特に前者はアルバム中のベスト・カット。余談だが一時期、Parliament(だったかな?)のCMでも使われていた。ストリングスが美しいバラードの<Romance><Photograph>、当時のSergioの音楽指向が反映されたポップな<Make This City Ours Tonight>も推薦。DJの皆様への推薦曲は<Nothings Will Be As It Was>ですね
Ben Sidran/『Free In America』

 初期作品がフリーソウルとしてクラブ・シーンを席巻した彼の、76年に発表された全作品中最もポップなアルバム。<Feel Your Groove>はメジャー・コードでふんだんに輝くメロディと華やかなアレンジで、アルバム中最も印象深い楽曲。<Let's Make A Deal>はかなりファンキー・タッチで、何故彼がクラブで受けているか再認識出来る曲だ。フルートと女性ヴォーカルがメロウな雰囲気を醸し出す、<Beg For It(The Real Thing)>も大きな聴き所である。
 ちなみにArista時代の4枚には、どれにも当たりの曲が収録されているので、お手頃価格なら押さえていた方が宜しいかも


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