Recommend Tracks/Black Contemporary.Funk8

Mother Freedom Band/『Cutting The Cord』

 Moments(後にRay Goodman & Brown)等のNew Jersey産Sweet Soulで有名なレーベル、All Platinumからデビューしたバンド。プロデュースはMomentsのAl Goodmanが担当。しかしワン・パターンから脱却しようとしたのか?FunkからSweet、更にはReggaeまでちゃんこ鍋状態に詰め込んだのが裏目に出てしまい、中途半端な完成度の低いアルバムとなったのが少々辛い所。それでもB面にはなかなかの佳曲が収められており、時としてTower Of Powerを思わせるスリリングな展開も。<(Assistant's Rag)When You're Hot,You're Hot>、<We Like To Boogie>、<Come On Home>の3連発には悶絶。但しカッティング・レベルが劣悪極まりないので、是非リマスターしたCDで聴きたい所だ。
Gloria Gaynor/『Love Tracks』

 <恋のサバイバル>です。TavaresやPeaches And Herbを当てた、Freddie Perrenをプロデュースに迎えて、79年に全米No1。日本でも大ヒットし、現在でもダンス・クラシックとして名高いナンバーだが、ここでは用無し(爆)。推薦曲は3曲。<Anybody Wanna Party?>はギター・カッティングがアクセントとなっているファンキー・ナンバーだが、感触は心地よい。スロウの<Pleaase Be There>は、どこかTower Of Powerの<You're Still A Young Man>的なメロディ展開だが、聴き惚れてしまうのはアレンジの妙味のせいか?そして問答無用のミディアム・フロウが<You Can Exit>。その魅力はメロディ&アレンジの素晴らしさは勿論の事、若干抑えめの彼女のヴォーカルに依る所も大きい。20年以上たった現在でも愛聴し続けている真の名曲だ。
Crown Heights Affair/『Dance Lady Dance』

 所属レーベルがKool & The Gangで知られるDe-Liteの為、時折比較対象に挙げられる事もあるグループ。初期はディスコ色が露骨に目立っていたが、このアルバムあたりからメロウ的な感覚を、随所で取り入れ始めている。これは私の知る限りでは通算5枚目。79年に出されている。内容の充実度こそ後の『I Got Somethin'For Ya』や『Struck Gold』に譲るが、タイトル・ソングは間違いなく、彼らの全歴史の中でも最高峰に位置するであろう。決して大きなヒットにならなかったが、メロウとファンキーが同次元で自己主張を戦わせた事によって生まれた奇跡の名曲。その魔性とも言える魅力は、一度聴けば惹き付けられてしまう事間違いナシだ。
MFSB/『Mystery Of The World』

 フィラデルフィア最強の音楽集団。彼らの存在こそがフィラデルフィア・ソウルの存在と言っても過言ではない。但しこの作品は全盛期を過ぎた末期に発表されたもの。しかし今までの大オーケストレーションによる、ゴリ押しのワン・パターンから一転。ストリングスを控えめにするのと同時に、メロウな味わいを帯び始める。来るべき80年代ダンス・サウンドを先取りしたかのような、タイトル・ソングの秀逸なる出来映え。Fusionをも視野に入れたメロディアスなアプローチを魅せる、<Tell Me Why>と<Metamorphosis>。従来路線ながら幾分シンプルに展開、その中にGamble/Huffならではのこだわりを凝縮させた<Fortune Teller>と<Old San Juan>等々。ヒットこそ出なかったが、内容的には最高傑作と呼んでも差し支えがない程だ。最終作なのがあまりに残念である。
The Stylistics/『Love Spell』

 <You Make Me Feel Brand New>(誓い)や<Can't Give You Anything But My Love>(愛がすべて)、<Betcha By Golly Wow>等々列挙に暇が無いほどのヒット曲を持つグループ。このHPをご覧になっている方々には「何で今更」という言葉も出てきそうだが、すっかり全米ヒットから遠ざかった時期にMercuryで吹き込まれた2枚は、彼らの中で最もLight Mellow指向が反映された都会派センス際立つ内容となった。仕掛け人はアメリカン・ポップス界で名の知られた存在であるTerry Randazzo。78年の『In Fashion』に続いて発表されたこのアルバムでは、フリーソウルを通過した若いファンにも好意的に受け入られそうなナンバーも収録されている。<One Night Love Affair>は16ビート仕立てのこみあげ系。Michael Omartian(もしくはPratt&McClain)の<Whatchasign>と抜群の相性を持つ、ブルーアイド的な魅力を持つナンバーだ。
 前作もそうだが、過去のヒット曲の焼き直し的なナンバーも入っているのは、彼らの悲しい宿命なのか?
Rene & Angela/『Wall To Wall』

 現在はRonald Isley(Isley Brothers)の奥方であるAngela Winbush。彼女は80年にRene Mooreとデュオを組み、4枚の秀作を発表している。代表作となると、5曲のソウル・チャート大ヒット曲を含む、85年の『Street Called Desire』となるのだろうが、初めて彼らがその知名度を上げたのは、81年の当該作より。イントロからインパクトのある展開を魅せる<I Love You More>は、妖艶なメロディ・センスと緩やかなビートを持つミディアム・ダンス。Quincy Jonesのアイデアを少し拝借し、更にオリジナリティをドッキングさせた、<Love's Alright>の勢いのある音も素晴らしい。そして<Imaginary Playmates>は、アルバム中最高のトラックと言える程に、秀逸なミディアム・フロウだ。
Rene & Angela/『same』

 名盤の誉れ高き『Wall To Wall』。5曲のヒットを生み出した85年の『Street Called Desire』。彼らの曲の中で最高峰に位置するバラードの<My First Love>を含む83年の『Rise』。それら傑作陣と比較すると、デビュー・アルバムである80年の当該作は非常に立場が悪い。しかしここで取り上げた理由は、お約束とも言える1曲の破壊力の凄まじさ。何と<Hotel California>を演っているのだ。しかもそのアレンジが驚嘆モノで、Leon WareもしくはLeroy Hutsonを彷彿とさせる、アーバン・コンテンポラリーなミディアム・フロウに激変させているのだ。90年のAl B SureのヴァージョンはEaglesではなく、恐らくこちらの方をモデルにしたのではなかろうか?
『Silvia Presents Brand New Funk 78』

 正体完全不明。恐らくはSilvia Robinson(<Pillow Talk>のセクシーなヲバサンね!)が彼女のお抱えのスタジオ・ミュージシャンを集めて作った、企画的な要素の濃い(半分オムニバス状態)アルバムであろう。注目は<Lowdown>(勿論アノ曲)。原曲を更にダンサブル&ソウルフルなアレンジに仕立て直している。ちなみに2ヴァージョン収録され、PartIIはインスト中心に構成されている。
 蛇足な点をもう一つ。ここにはSilviaの歌うディスコ<Automatic Lover>(オリジナルはD.D.Jackson)が入っているのだが、裏ジャケの曲目リストには記載されていない。ちなみにこの曲、Silviaの米でのオリジナル・アルバムには収録されていないが、78年の『Lay It On Me』の国内盤のボーナス・トラックとして聴くことが出来る。で、何故か日本でのみ、彼女が宇宙服っぽい衣装を着ているイラスト・ジャケに差し替えられている。
Michelle White/『Sweet Innocent』

 マイアミのTKレーベルの傘下Sunshine Soundから、78年にリリースされた大穴盤。ちなみにここはKC & The Sunshine Bandの専用レーベルみたいなもので、Jimmy Bo Horneの『Dance Across The Floor』のように、Casey/Finchが手がけ、KCサウンドを聴かせるものが殆ど。しかしこれはプロデューサーが別人なので楽曲はかなりバラエティに富んでおり、フリーソウル繋がりでTKレーベルを追っている方なら、かなり嬉しい曲が所狭しと揃っている。ミュンヘン・ディスコを下地に、メロウなグルーヴを漂わせるタイトル・ソング。続く究極の美メロ・ナンバー<As Long As You Come Home>で、感動は極地に達する。KC風味のディスコも多いが、そのテンポを落とし美しいストリングスを加えた<It's You,My Baby>は、アルバム中ベスト・カットと断言できる極上のミディアム・フロウだ。
 当時TK在籍だったBobby Caldwell(恐らく同時期に1stをレコーディング?)が、ギタリストとして参加。<As Long〜>で聴かせる粘っこいギターは恐らく彼のモノと思われる。
Fatback/『On The Floor』

 The Fatback Band〜シンプルにFatbackへ。ファンク・ファンならば、避けて通ることは許されぬ名バンド。個人的にも好きなアルバムが非常に多く、本当ならば特集を組みたい所だが、全部所持していないので(汗)、今回はFatback童貞だった私を、漆黒の世界に引き込んだ初体験作を。この頃の彼らは激重メタル・ファンク路線を突っ走っていたのだが、82年という時代の希求に合わせて、A面を「Hot Funk」、B面を「Mellow Madness」に分け、異なったサウンド・アプローチを展開。ミディアム・メロディアス・アップの、<She's My Shining Star>の出来は完璧!スローの<Do It To Me Now>も、David Sanborn風の泣きのサックスをフィーチャーした美しき逸品だ。



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