その(3)

Lonnie Liston Smith/
『Dreams Of Tomorrow』(1983)

01. A Lonely Way To Be
02. Mystic Woman
03. The Love I See In Your Eyes
04. Dreams Of Tomorrow
05. Never Too Late
06. Rainbows Of Love
07. Divine Light
08. A Garden Of Peace

Produced
Marcus Miller、Lonnie Liston Smith
Musicians
Electric/Acoustic Piano - Lonnie Liston Smith
Bass/Guitar/Keyboard/Prophet5 - Marcus Miller
Vo - Donald Smith(Flute)
Drums - Yogi Horton、Buddy Williams
Percussion - Steve Thornton
Sax
- David Hubbard

 このアーティストならばこの1枚というお約束が存在するのは世の常。しかし十人十色という言葉がある通り、枚数が多いアーティストに関しては、フェイバリット作も人それぞれに分かれて当然である。例えばSteely Danなどは必ずしも『Aja』という訳ではなく、『Gaucho』だったり『The Royal Scam』だったり。Earth WInd & Fireも『All N' All』ではなく『Spirit』だったり、ライブ盤の『Gratitude』だったり、ポップ化が如実に表れた『I Am』だったり、私なんかは『Faces』だったりするが.....。この手の例を挙げればキリが無い訳だ。
 今回取り上げるLonnie Liston Smith。彼の代表作と言えばレア・グルーヴ方面で脚光を浴びた『Expansion』であろう。人によっては『Reflections Of A Golden Dreams』を挙げるかも知れないし、77年の『Live』も好作だ。またCBS時代に残された4枚も素晴らしい内容で、メロウ派の方々から絶賛されている。2002年には『Explorations』というタイトルで、この時代の音源が2枚組のコンプリートな形でCD化され、好評を得ている(でも実は1曲抜けているのだが.....)。
 さて『Dreams Of Tomorrow』だが、語られる事は前述作に比べると極端に少ない。83年に出されているが、レーベルはDoctor Jazzというインディーズ。いわゆるマイナー落ち状態である。熊谷美広氏のライナーノーツによると、CBSは大メジャー・レーベルだけに色々と軋轢もあり(売れ線の強要とかもあったのかな?)、彼自身落ち込んでいたとの事。そして選んだ道は高セールスよりも納得のいく作品を作り上げる事。そしてインディーズを選択したという訳だが、Doctor Jazzは彼がFlying Dutchman在籍時にプロデュースを行っていた、Bob Thieleが設立したレーベル。全盛期の立役者が再び手を差し伸べたという訳ですな。でもこのレーベル、他のアーティストは居たのであろうか?Lonnieだけ??
 しかしこれが大傑作!特にAORをリアル・タイムで通過した我々世代の中で、当該作をフェイバリットに挙げている人間も多い程だ。とにかくオープニングの<A Lonely Way To Be>が強烈!メロウ・フローター、ミディアム・フロウ好きなら、一聴しただけで命を吸い取られてしまう(そんなオーバーな.....^^;;;)程の圧倒的な名曲だ。そしてこの衝撃が全体に渡っているのが、当アルバムの凄まじい所。<Mysric Woman>もアップでありながら非常に美しいナンバー。<The Love I See In Your Eyes>は、持ち前の幻想的なメロディをふんだんに生かした逸品。同タイプのタイトル・ソングも秀逸!アップの<Never Too Late>は飛ばして(ヲイ!)<Rainbow Of Love>は、私のDJ定番曲である<Sunburst>(CBS時代の1st『Loveland』収録曲)を彷彿とさせる。アルバム中唯一の太陽と海と南国の島が似合うナンバー。そしてNYの夜景チックな<Divine Light>を経て、号泣モノのピアノ・ソロ・ナンバー<A Garden Of Peace>で、この壮大な音楽絵巻は幕を閉じる。
 購入のキッカケはMarcus Millerがプロデュースを担当していたから(ある意味バクチ買いに近かった?)。でもLonnieが無名時代の彼を発掘したのは、今となっては有名な話。これはそんな恩師への恩返し的な意味合いを持つ作品だったのかも。
 勿論CD化されているが、現在は次作との2in1という形で再CD化。そしてその次作『Silhouettes』も同路線の好盤だ!

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五線譜2

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