Recommend Tracks/Black Contemporary.Funk2

The Walter Murphy Band/『A Fifth Of Beethoven』

 『運命76』です。76年に全米No1は勿論、日本を含む全世界で大ヒット(当時、ウチの母親も気に入っておりました...爆)。さて、これは単なるディスコ・アルバムと思いきや、随所に聴き所あり。推薦曲はシングルのB面に入っていた<California Strut>。モンドほど格好良くはないが、軽くて覚えやすく、かつ泣かせるメロディも隠し味に含ませた逸品。こちらもラジオのテーマ曲等で頻繁に流れていた記憶あり。プレAOR的な解釈の<(You've Got To)Be Your Own Best Friend>もなかなか聴かせマス。他はクラシックをディスコにアレンジしたものばかり。
Ripple/『Sons Of The Gods』

 Rippleと言えば、レア・ファンク・クラシックである、<I Don't Know What It Is But It Sure Is Funky>が有名だが、その4年後の77年、Salsoulに移籍して発表した本作では、格段に洗練された都会派のサウンドが満喫出来る。<The Beat Goes On And On>は、70年代後半のDisco Eraの美麗な音が凝縮された究極の一品。実際ガラージ・クラシックにもなっている。また一度聴けば覚えてしまいそうな<Here I Stand>や、来る80年代ファンク路線を先取りした、お洒落でメロディアスな感覚に満ち溢れた、<Do What You Wanna Do>や<Today>も良い。インストの<Victorious>では、ジャケット通りのスペース感に溢れた展開を聴かせる。
 ちなみに当時の邦題は『宇宙への賛歌』。
Gene Chandler/『80』

 真のR&B(勿論昔の)を知り尽くした男。彼の歌こそはソウル(魂)そのものだ。ディスコ・ヒットを記録した78年の『Get Down』から1枚挟んで発表された本作は、この年のソウル・アルバムの中でも、屈指の出来となった。あの山下達郎が推薦曲に挙げていた<Does She Have A Friend For Me?>の凄まじい完成度と都会的センス、<Lay Me Gentry>の高揚感に満ち溢れたメロディ、Bob Jamesを彷彿とさせる緻密なイントロから、魂の真髄を聴かせる<I'll Be There>の圧倒的な存在感等々。ディスコ的な曲もあるが、それすらもディープにしてしまう持ち前の歌唱力。21世紀に伝えるべき、本当にいいアルバムである。
Esther Phillips/『All About』

 数えるのがヤな位アルバムを出しているヒト。<What a Diff'rence a Day Makes(縁は異なもの)>のカヴァー・ヒットでも有名(でもないか?)。<Native New Yorker>は今回『Free Soul Memory』にセレクトされたので、今後火が付くかな?オリジナルはOdyssey(黒人3人組の方)だけど、ここのヴァージョンは、Frankie Valliのカヴァーに近いアレンジ。他にはミディアム・フロウの<Pie In The Sky>、同タイプだが少しブルージーでファンキーな、<S.O.S>がイイ出来。A面がポップ、B面はかなり渋め。だがWayne Hendersonがプロデュースしているだけあり、トータルで素晴らしい内容となっている。
5000Volts/『same』

 70年代中半に少し話題を集めた、イギリス出身のディスコ・バンド。当時ヒットとなった<I'm On Fire>(恋は火の鳥)や<Doctor Kiss-Kiss>、<Motion Man>に注目が集まりがちだが、ここで取り上げたいのは<Bye Love>。フィラデルフィア・ソウルを意識しながらも、もう少しポップにメロウに仕上げたミディアム・ダンスの逸品。流れる様なメロディも耳に優しく心地よさ満載。この間のAOR Nightで流した所、一部で話題に。また<Come Here The Music>もややディスコ色が濃いながらも、美麗なメロディ展開が秀逸。

Carl Anderson/『Absence With Out Love』

 今までに9枚のアルバムを発表し、日本でもかなりファンの多い実力派シンガー。90年の『Pieces Of A Heart』なんかは、CM(確かパーラメントだったけ?)にも使われたりして、結構話題になった事も。このアルバムは82年のデビュー作。既にこの頃からAOR的な要素が備わっており、透明感溢れる<Amour>やバラードの<Going Out Again>などのスマートな指向性は、既成のブラコンを超越し自らの音楽性を幅広い層にアプローチしようとする、積極的な姿勢が伺える。
 ちなみにミディアムの<Buttercup>とレゲエ調の<C'est La Vie>は、86年作の『Carl Anderson』でも取り上げられているが、アレンジが少し異なる。
Jerry Bell/『Winter Love Affair』

 当時もあまり認知されていなかったマイナーな作品だが、今なら何かのキッカケで人気に火が付くかも知れない。プロデュース&ソングライティングは、<Looking Up To You>のフリーソウル・ヒットで有名になったMichael Wycoffが担当。しっとりしたバラード系が大半を占めるが、アップの<Tell Me You'll Stay>はスマートなビートに、流れるようなメロディ進行が心地よい。
Bobby King/『Love In The Fire』

 一時期あのRy Cooderと活動を共にし、その筋のファンからも高い評価を得たほどの実力の持ち主。81年の『Bobby King』(邦題、『ファンタスティック・ナイト』)は、何とGraydon/FosterやBill Champlin等が参加した注目の作品であったが、コンテンポラリー度に関しては、84年の当該作の方が上。AOR度120%の<Somewhere Along The Way>には悶絶。クリスタル/アーベイン族ならば、失禁モノのフレーズが随所で展開されている。同系統の<Sweet Love>も、濃厚な真夜中的雰囲気に満ち溢れた逸品。<Lovequake><Fall In Love>などのアップも、汗臭さを徹底的に排除したお洒落指向。覚えやすいメロディを持った<Ain't Never Met A Woman Like You>もいい出来だ。Robbie Buchanan(ex:Maxusのsyn)の独特のプレイが、アルバム全体のムードを決定づけている。
The Temptations/『Surface Thrills』

 Robbie DupreeやLauren Woodで知られる、元Crackin'のPeter Bunetta/Rick Chudacoffが手がけた『To Be Continued』が、テンプスAOR事始めとされているが、実は低迷期である82年に発表されたこの作品が最初。参加ミュージシャンを見てもJeff Porcaroを筆頭に、Robbie Buchanan、John Robinson等の心惹かれるクレジット。おまけにプロデュースがDennis Lambert&Steve Barri。ソング・ライティングにはPeter Becketの名も!。但し楽曲的にはどれも弱いのが悲しいところ。それでもPeterの書いた<Love On My Mind Tonight>などは、そのままPlayerとして発表しても良い位のクォリティを誇っている。アルバム中最もお薦めのナンバーは<What A Way To Put It>。Tavaresの『Supercharged』で魅せたBenjamin Wrightのアレンジが冴え渡るミディアム・フロウだ。
O’Bryan/『Doin' Alright』

 優れた4枚のアルバムを残している才人。Stevie Wonderの<You And I>の秀逸カヴァーを含む83年の2ndや、84年の『Be My Lover』が代表作として挙げられるが、個人的にお薦めしたいのは、1stであるこの作品。何と全8曲中6曲もミディアム/スロウで固められた、その手のファンには応えられない逸品だ。タイトル・ソングは真夜中の雰囲気満載のミディアム・フロウで、勿論全曲中ベスト・カット。しっとりと歌われる<Love Has Found Its Way>と、<Can't Live Without Your Love>に於けるヴォーカルの説得力も、問答無用に聴き手を陶酔の世界へ誘う。

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五線譜2

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