五線譜2
Recommend Tracks/Black Contemporary.Funk1

Peter Brown/『A Fantasy Love Affair』

 <Do You Wanna Get Funky With Me><Dance With Me>の2大ディスコ・ヒットを生み出したシンガー。当時私は本気で黒人かと思っておりました(事実)。77年のデビュー作はなかなかの完成度。シャッフル・ビートにドライヴするギターが躍動感を醸し出すタイトル・ソング。<The Singer's Become A Dancer>は、軽快な曲調とやや暗めのソング・メイキングとのコントラストが絶妙。そして極めつけは<For Your Love>。ミディアム・フロウなビートに幻想的なメロディ。そして憂いを帯びたヴォーカル。それらが一体となった高揚感は想像を絶するモノだ。
DeBarge/『In A Special Way』

 ベストを除いて全5枚のアルバム(多分)をリリースしているファミリー・グループ。曲単位でいけば85年作に収録の<Who's Holding Donna Now>(プロデュースは巨匠Jay Graydon)が最高峰なのだろうが、アルバムで選ぶとなれば、通算3枚目となる当該作が推薦。クリスタルな雰囲気満載の<Queen Of My Heart>は、全ヲヤヂ胸キュンのミディアム・フロウ。1stにも収録されていたが、少しコンパクトにミックスし直されたコチラの方がオススメ。一時期Ashantiの<Foolish>の元ネタとして注目を集めた、<Stay With Me>のブラコン王道路線。当時シングル・ヒットした<Time Will Reveal>とタイトル・ソングの2連発バラードの高揚感は、何者にも代え難い魅力だ。
Dazz Band/『Let The Music Play』

 Kinsman DazzからDazz Bandと改名しての2枚目。タイトル・ソングがファンキーなので、そのイメージで語られる事が多いが、このアルバムの最大の魅力はミディアム&スロウ。しかも全9曲中6曲がその路線で占められているのだから、ブラコン・ファンにはたまらない。
必殺は<What Will I Do Without You>。いかにも80年代初頭といった感じのクリスタルな感覚は、聴けば聴くほど青春のあの頃に立ち返りマス。同路線の<Satisfying Love><Everyday Love>も必聴。<Knock !Knock!>等バラードも大充実。彼らの全歴史の中で問答無用の最高傑作。
Dazz Band/『Keep It Alive』

 もう1枚紹介。さすがに前述の作品は越えられないものの、これまたブラコンを代表する1枚だ。当時大ヒットを記録し、今ではダンス・クラシックとなっている<Let It Whip>はここに収録。タイトル・ソングや<Shake What You Got>等、Funkの切れ味は更に鋭いものとなっている。だがやはり、ミディアム・フロウなナンバーが燦然と輝いており、<Gamble With My Love><Just Can't Wait'Till The Night>が絶好の聴き所。勿論<I'll Keep On Lovin' You><Just Believe In Love>などのスロウもイケている。
 彼らの推薦盤はこの後の『On The One』まで。その後は内容の質が低下してしまう。
Richie Family/『I'll Do My Best』

 Village Peopleのヒットの仕掛け人Jacques Moraliに見いだされた3人組、元々は単なるスタジオ・ディスコ・プロジェクトだったのだが、75年の<Brasil>のヒットにより急遽グループとして活動を開始。その後、当時のディスコ・ヒットをメドレーにした<The Best Disco In Town>は、日本でも大ヒットを記録した。このアルバムは82年作。プロデュースはChange やBB&Q Band、Hi-Fashionなどで、NY系のお洒落サウンドの仕掛け人となった、Jacques Fred PetrusとMario Malavasiが担当。おかげで(?)180度方向転換。どの曲もアダルトそしてダンサブルな都会派サウンドが満喫出来る。悶絶のミディアム・フロウが1曲。<Walk With Me>は、Stevie Woodsの<Steal The Night>を彷彿とさせる軽快なテンポと、魅惑的なメロディの調べが極上の雰囲気を演出してくれる。
The Jacksons/『Triumph』

 素晴らしい。何度聴いても色褪せることを知らない、掛け値ナシの真の名盤だ。前年のMichaelのソロ、『Off The Wall』に於けるQuincy Jonesの方法論を、独自に解釈し理想的な形で消化。心の底から「凄い!」と絶賛出来る作品となった。<This Place Hotel(ハートブレイク・ホテル)>の完璧なまでのヒット性は、一度耳にしたら病みつきになるほどの常習性を含んでおり、ある意味危険な曲だ。いかに当時の彼が非凡であったか、この1曲で証明されるのだ。ややアップ気味のミディアム・フロウ<Give It Up>はMichaelの全楽曲の頂点。初めて耳にした時から既に20年近い年月が経過しているが、曲に対する愛情は冷めるどころか、聴く度にその愛が不変である事を確信するのみだ。<Lovely One>のたたみかける迫力。<Everybody>の泣きのメロディとクリスタル感覚等々、どこをとっても完璧。このアルバムに対する賛辞は、ここの小さいスペースでは紹介仕切れない!!
The Jacksons/『same』

 再評価真っ直中のJackson5と、名盤『Off The Wall』『Thriller』のエア・ポケット状態のこの時代だが、フィラデルフィアの立役者Gamble And Huffによる緻密なプロダクションは、聴き所満載のアルバムを作り上げた。必殺は<Show You The Way To Go>。心地よいビートに絡む美しいストリングスが、極上の雰囲気を作り上げている。ちなみにガラージ・ネタとしても知られている。また<Good Times>に於けるMichaelの哀愁表現は、正に究極と言えよう。
Johnny Gill/『same』

 古典R&B(Sam Cooke、Otis Redding等)と、現代R&Bの両方を知り尽くした男。その彼が83年に発表した1st。確かこの頃は16〜17歳位だと記憶しているが、その熱い歌いっぷりは当時から壮絶であり、どの曲も聴く者の細胞の核にまで訴えかける。圧倒的ミディアム・フロウ<Thank You>は、曲の良さも手伝って問答無用のベスト・トラックである。バラードの<Show Her Love>、<I'm Sorry>と、ソウル・クラシック<When Something Is Wrong With My Baby>のカヴァーに於ける説得力も完璧。ややアイドル的な楽曲もあるが、それすらも持ち前の歌唱力により、曲の印象すら変えてしまっている。大スターの青い時期なんて表現で語れぬ位、この1枚は奥が深い。
New Edition/『same』

 そのJohnnyが在籍していたNew Edition。しかしここではまだ彼は参加していない。中心はRalph TresvantとBobby Brown(でもメンバー全員、この5年後に時代を作りましたネ)。
さてこのアルバムは84年秋に出された2nd。<Cool It Now>を筆頭とする、ダンス・ナンバーは勿論だが、ミディアム〜バラードの出来にも注目を。元Crackin'のBunetta/Chudacoff制作による<Maryann>が、個人的にはベスト・トラック。Michael Sembello制作の<Baby Love><Delicious><Lost In Love>もいい。Ray Parker Jr制作の<Mr Telephone Man>は、今でも不変の人気を誇るミディアム・フロウの名曲だ。
Jr Tucker/『same』

 その<Mr Telephone Man>をいち早く取り上げたのが、これまた当時16〜17歳だった彼(現在レゲエ・シーンで活躍しているヒトと同一人物なのか?)。これはRay Parker Jr制作による、実に良質なブラコン・アルバムだ。<Take A Message(From My Body)>は美しいメロディを持つ、洒落た雰囲気の逸品。Ray自身の<A Woman Needs Love>を思わせる、ミディアム・フロウの名曲は<If It's Love You're After>。いかにも80年代前半の、クリスタルしていたあの頃の空気が詰まっている佳曲だ。専門店では最近このアルバムも高くなっているみたいだが、中古屋巡りをすれば、絶対に500〜600円位であるはずだ。

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