Recommend Tracks/AOR Pops9

Savanna Silver Band/『Pure Silver』

 Stylus、Skylight等々、隠れたメロウ・グルーヴの宝庫として注目を集め続けるオーストラリア。こんな粋なバンドも存在していたのです。そのサウンドはラテン・ソウル色が強く、中期SantanaやMaloあたりのインスパイア系と言えそう。それでも78年発表らしく、コンテンポラリーな色彩も随所に。Con Funk Shunの<California 1>をもう少しテンポ・アップしたような<Ruby Runnning Faker>。ゆったりとした中に濃厚なメロウネスを忍ばせる<It Takes A Woman>。魅惑のメロディに心躍る<Why>(アップの<Foolish People>に続く所は圧巻!)などなど。今まで話題にならなかったのが不思議な位に、粒揃いの曲が立ち並ぶ。
Fire&Rain/『Living Together』

 2枚のアルバムの存在が確認されているソフト・ロック・デュオ。これは75年に発表されたもの。バックに参加しているDavid Foster、Jay Graydon、David Paichの名に惹かれるが、AOR色は残念ながら皆無。アルバム全体もそんなに良くない(汗)。しかしフリーソウラー失禁のナンバーが1曲。その<Make Love To Me>はSylviaの<Pillow Talk>を彷彿とさせる、セクシームード満点の逸品。美しいストリングスをバックにソウルとフォークが交差する雰囲気作りは、恐らく先に挙げた3人の力の賜物であろう。Burt Bacharach作の<US>で共作者としてクレジットされているB Russellとは、恐らくBrenda Russellと推測される。
Anita Lindblom/『Love Is The Shadows』

 詳しい事は分からないが、ヨーロッパの女優のようだ。その彼女が78年に出した1枚。これは何とNeil Sedakaのカヴァー集。と言っても<Calendar Girl>や<Oh Carol!>、<One Way Ticket>などは除外(笑)。70年代中半に復活してからの楽曲が大半を占める。注目は参加ミュージシャン。Mike Porcaro、Ed Greene、Jai Winding、Victor Feltman等々L.A勢中心。中でもJay Graydonは随所でお約束のソロを決めまくり。彼のファンにとっては堪らない1枚であろう。<Love In The Shadows>は完全Discoモードのオリジナルとは少し違い、スマートでメロウなノリが実に気持ちよい。同タイプの<Falling In Love Again>も良く、Brian Elliottあたりをフェイバリットとしている方ならば、悶絶絶対確実!有名曲<Laughter In The Rain>はトロピカルな隠し味が絶品!
Les Dudek/『Ghost Town Parade』

 やってる音楽はAORと一切無縁ながら、Boz Scaggsのツアーへの同行や、バックにDavid FosterやTOTOのメンバーが絡んだりと、その筋での評価が非常に高いヒト。私の知る限りでは5枚のアルバムが確認されている。一般的にはBozプロデュースの1stか、2ndの『Say No More』が代表とされるが、78発表のこれもなかなかの内容。要注目は<Central Park>。サザン・スピリットはそのままに、Funk指数を引き上げたダンサブルな逸品だ。The Allman Brothers BandやLynyrd Skynardが、SalsoulやPreludeでアルバム出したら、多分こんな感じになるのでは?と、変な連想までしてしまいそうだ。他にもスライド爆裂の<Bound To Be A Chance>や、たたみかける迫力の<Falling Out>などなど、メロウモノ続きでまったりした耳に、適度のアーシーな刺激を与えてくれる。ミュージシャンは前作に引き続きJeff Porcaro。そしてMike FinniganとJim Kruegar(当時Dave Mason Bandに在籍)の名が!あのD.F.K.Bandの結成のキッカケは、このアルバムのセッションが発端かも。
Rick Matthews/『Ride The Breeze』

 83年発表。全然レア盤ではないが、知る人ぞ知る存在の1枚。The Beach Boysへの造詣を見せる一方で、当時のAORの美味しいスパイスを随所で導入。耳あたりの良いポップ・ソング集となっている。白眉は<Couldn't We Ride That Rainbow>。Jaye P Morgan(出だしはHodges James & Smithの方が近いかも)のEW&Fカヴァー<You Can't Hide Love>を彷彿とさせる必殺ミディアム・フロウで、Playerの<Baby Come Back>あたりのファンならば悶絶絶対確実。<I Want To Make You Happy>は完全にオールディーズ・スタイル。<恋のラッキーチャンス>の邦題で覚えている方も多いのでは?<My Girl>は勿論The Temptationsのあの歌。マリン度タップリのアレンジで、完全に夏の車中BGMナンバー(?)に変えている。
 ちなみにこのアルバム。81年の1stの『California Cologne』から2曲をカットし4曲加えたもの。新たに加えられた曲はAOR的にも合格点が付けられるので、こちらの方をお薦めしたい。
Dr.Hook/『Sometimes You Win』

 結成当初はコミカル色の強いカントリー・ロック・バンドだったが、時代の希求もあってか、78年の『Pleasure & Pain』(特大ヒット<When You're In Love With A Beautiful Woman>収録)あたりから徐々に洗練を帯び始め、79年の当該作で一つの完成型を確立する。<Sexy Eyes>は言わずと知れたメロウ・グルーヴ・クラシック。このアルバムはどうしても、この曲の存在のみで語られがちだが、他にも聴き逃せないナンバー多し!<Better Love Next Time>は都会的作りだが、どこかイナたい雰囲気が何とも言えない哀愁風味を醸しだす。同タイプの<In Over My Head>やビートを強めた<What Do You Want?>、ミディアムの<Love Monster>なども素晴らしい。
 翌年の『Rising』もRobert Byrneの<That Didn't Hurt Too Bad>のカヴァーを始め、佳曲揃いの好盤だったが、81年の『Players In The Dark』は、産業ロックに色目を使ったのが完全に裏目に出た。
Bob McGilpin/『Superstar』

 77年に設立されたButterfly Recordsという、Disco専門レーベルから翌年にリリースされた意外作。A面はこれでもかのミディアム・フロウ攻撃。6曲収録されているのだが、そのいずれもが出来がよい。勿論後のAOR諸作と比べてコンテンポラリー指数こそ低めだが、ブルーアイド・ソウルとしてはかなりのもの。<I'll Always Come A Runnin'>は哀愁メロディに、ちょっと頼りなさそうなヴォーカルが見事な相乗効果を生み出す秀曲。もう少しテンポを落とした<Part Time Baby>や、<When You Feel Love>の美メロも細胞に響く。但しB面はレーベル・カラーを反映したディスコ攻撃(泣)。この後2枚アルバムがあるのだが、残念ながらディスコティークな内容で推薦出来ず。
Tufano & Giammarese/『The Other Side』

 The BuckinghamsのDennis TufanoとCarl Giammareseが、1972年に組んだデュオ。
翌年1st。74年には2ndが出ているが、カントリーやフォークを基調とした普通のロックで、取り立てて言う程のモノではない。しかし77年の当該作では洗練度を飛躍的に向上させ、プレAORとしても合格点が付けられる内容となった。収録曲はやや凹凸が多いが、聴き逃せないナンバーも数多く含まれている。白眉は<Nightrider>。ELOの75年の名盤『Face The Music』に入っていた名曲をカヴァーしたものだが、シンプルなフリーソウル仕立てになっており、こちらも非常に魅力的だ。
もう1曲<Memories>も味わい深いメロウ・トラックで、極上の雰囲気を満喫出来る。

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五線譜2

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